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2011年1月 5日 (水)

ヨーロッパの恥 ナポリのゴミ戦争〈1月〉

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腐りかけて強烈な臭いを放つ25万トンのゴミ。
「重たい汚れた毛布に毎晩くるまっているようなものだ」
ゴミ埋め立て地カバ・サリ処分場の向い側に住む住民は言います。
シルビオ・ベルスコーニ首相が08年4月の総選挙でナポリのゴミ危機を解決すると約束して政権に帰り咲いてから2年半。
しかしイタリア政府に地元のゴミ処理産業を牛耳るマフィアと対決する積もりはさらさらありません。
ゴミ収集が麻痺して、路上にゴミが散乱するナポリの映像は世界中に流れましたが、ゴミ問題の本質はゴミ処分場を事実上運営管理するマフィアが州外や国外から違法に産業廃棄物や有害廃棄物を持ち込むことが原因なのです。
ゴミ廃棄産業はマフィアの莫大な資金源になっています。
ナポリがあるイタリア南部カンパニア州もゴミ問題を本気で解決しようという動きはありません。
そのため処分場周辺の住民は高過ぎる代償を払っています。
白血病や咽喉癌、呼吸疾患の発生率の上昇は、水と大気が酷く汚染されていることの証拠です。
窓を開けることもできません。
吐き気を催す臭いが充満しているため子供は野外で遊べません。
絵のように美しい景色にも観光客も寄り付きませんし、地元の農産物を買う人もいません。

ゴミ処理場はマフィアの資金源

「病気の清掃工場で暮らしているようなものだ。マフィアの儲けと政府の利便のためにどうしてわれわれと子供たちの健康を犠牲にしなければならないのか。ゴミも嘘ももうたくさんだ。」と付近の人々は言います。
10月中旬に新しいゴミ処分場の建設を計画通り進めると当局が発表すると、住民の憤りが爆発しました。
新しい処分場は、埋め立て容量300万トンでヨーロッパ最大規模になりゴミ問題は解決する筈ですが、住民に言わせれば管理のやり方を変えない限りここもまた、マフィアが国外から違法に持ち込むゴミで埋められてしまうというのです。
憤慨した住民の一部は暴徒と化し、ゴミ収集車に火を放ち、機動隊と衝突。
更に住民が処分場へのゴミ搬入を阻止したため、ナポリ市内のゴミ収集は止まり、路上はゴミで埋まりました。
しかし、ナポリの生ゴミの量はイタリアの都市で最も多いのも事実です。
紙やプラスチックと生物分解が可能な有機ゴミの分別収集を実践しているのは100万人のナポリ市民のうち5%にすぎません。
でも、市もローマやミラノ、フィレンツェなど資源ゴミの再利用のうまくいっている都市と異なり、分別収集を強制する積もりがありません。
ゴミはマフィアにとって儲かるからです。

1月 5, 2011 3.スクラップ |