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2011年1月 6日 (木)

事業仕分け〈1月〉

 あけましておめでとうございます。
また新しい年が明けました。
民主党政権になって今のところ目覚しい成果は上がっていませんが目新しいものといえば、「事業仕分け」でしょうか。
仕分け人に仕分けさせながら、隠れて復活させても責任は問われないのですから何とも悠長な話です。
失言で職を失うことはあっても、仕事の成果で責任を問われることのない官僚や政治家の世界らしい仕事の仕方で、もう諦めるしかないのかもしれません。
でも私たち実業を営む者にとってこの「事業仕分け」の考え方は活用できるように思います。
新年に当たって皆様の会社の事業仕分けを、一度されてみてはいかがでしょうか。

・第1に仕分けの対象とすべきなのは取扱い商品です。
取扱い商品が、世の中の流れに従って変わってきているかということです。
食品会社などには、1年以内に売り出された商品が半分以上などという会社もあるようですが、それ程でなくても顧客のニーズを聞き出しながらニーズに合った商品を提供しつづけていないと、いつの間にか商品ラインナップは陳腐化してしまいます。
取扱い商品が変わっていても、それを顧客に十分に知らせているかということも仕分けの対象にしなければなりません。
顧客の中には、あなたの会社が扱っているのを知らないで、他の会社に注文を出しているところが沢山あります。
「あなたのところで扱っているとは知らかったよ。この間他のところで買ってしまったよ」といわれた経験のある方は、いっぱいいらっしゃることと思います。
皆様はお客様に知らせなければ商売になりませんが、お客様はそれを知る必要はありません。
自社の商品を客によく知られている商品と客に十分に知られていない商品に仕分けをして、どう知らせていくかを考える必要があります。
新商品リストを作って渡しているから大丈夫などといっているようでは甘いと思います。
読んでいるかわからないし、忘れてしまえばそれでおしまいです。
何度も何度も知らせなくてはなりません。

・顧客も仕分けの対象です。
2割の顧客で8割の売上を上げているという2:8の原則があります。
しかし2割と8割の顧客の内訳は、常に変動しています。
昔は2割の中の中心メンバーであったところも、いつの間にか8割の仲間に入ってしまい、そのうちに消えていってしまう会社もあります。
8割の仲間にはいっていたところでも知らない間に2割の仲間に入っているところもあります。
ですから年に一度は必ず顧客のA、B、C分析を行い、顧客のランク分けをする必要があります。
A、B、Cのランクに従って、どのような営業活動を行っていくかを決定しなければなりません。
リベートや仕切りも変えなければなりません。
ランクが下がったのに、言いにくいのでという理由で、元のランクのリベートや仕切りを適用している会社をしばしば目にしますが、公平の見地から見て適切ではありませんし、全体としての粗利を下げる原因にもなります。
営業体制が地域別になっているような場合は、同一の営業マンが担当を続けるので、訪問頻度を変更したり仕切りを変えたりするのに抵抗があり、ずるずると従前と同様の営業活動を行い、もっと力を入れるべきところに力を注ぐことができないことがあります。
上にたつ人は心して対処したいものです。

・販売促進や広告宣伝の仕分けも省けません。
広告宣伝費は販管費の中でかなり大きな金額を占めていますが、その効果について十分に検討されているか疑問なものがあります。
広告企画の多くは、昨年の効果を検討して問題点を明らかにし改善を加えて実施されているものは少なく、大部分の企画は時間に追われて、前年のものを少し修正した程度で実施されています。
昨年もこの時期にやったからという理由で行われています。
こんなものならやらない方が良かったのにと思うような企画もあります。
チラシについても同じです。
メーカーがくれるチラシの裏面に自社の広告を入れるというような前時代的なチラシを入れているようなケースは別として、毎年ほとんど変化のないチラシを入れつづけているところはまだ沢山あります。
毎回3分の1は必ず変えるというような決心で作らないと、決してうまくはなりません。
年に一度くらい全企画、全チラシを担当者以外の人を入れて検討会を開き、仕分けをするということが広告宣伝費を有効に使うのには欠かせないことだと思います。

・最後は人の仕分けです。
GE(ゼネラル・エレクトリック)の名経営者ジャック・ウィルチ社長は別名、中性子爆弾といわれました。
それは会社を活性化させるために全従業員の下位5パーセントの人を毎年入れ替えるからでした。
そのことの良否はとも角、人事が停滞している会社は沢山あります。
同一人物が部長に10年も20年も座っているようでは変化に対応していくことは難しいといわざるを得ません。
変化はスローガンやスピーチによって起こせるものではありません。
しかるべき地位にしかるべき人間を配置することによってはじめて起こせます。
人の処遇に迷ったときは、南洲遣訓にあるように「功ある者には禄(ろく)を与えよ、能ある者には地位を与えよ」が参考になります。
まだまだ仕分けをしなければならない部分は沢山あることでしょう。
それこそ聖域なき仕分けによって会社のウミを出していくことが必要です。

毎年1回会社のすみずみまで仕分けをして無駄なものを省き、必要なところを入れ替えていかないと、この厳しく変化の激しい時代に勝ち残っていくことはできません。
でも心すべきことは仕分けをしても考え方がかわらないとゾンビのように同じようなことがまた形を変えて出てくることです。
民主党の仕分けのようにだけはならないように気をつけたいものです。       

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