« 永遠の0(ゼロ)〈12月〉 | トップページ | 衰退に抗うための五訓〈12月〉 »

2010年12月 6日 (月)

イギリス・「鉄の男」キャメロンの超改革路線〈12月〉

10121103
 2015年までにGDP比12.1%の財政赤字を1.2%と事実上解消するという目標を掲げた、保守党のデービット・キャメロン英首相は、就任後半年もたたないのに矢継ぎ早に財政赤字の削減策を打ち出しています。
医療と対外援助を除く各省庁のすべての予算は今後4年間で最低25パーセント削減されることとなります。
これが実行されると、国の労働人口の20パーセント以上にまで膨れ上がった公務員は60万人削減されます。
現場の警官も4万人削減されます。
閣僚の公用車と専属運転手は既に廃止されました。
公務員の賃上げは3年間凍結されました。
社会の至る所に増殖した福祉制度も見直さざるを得ません。
60才以上の市民の大半は無料でバスに乗ることができ、最大600ドル(5万円超)の冬季燃料手当をもらっています。
富裕層の親でも子供1人につき月135ドル(11,500円)の子供手当が出ます。
このような社会福祉制度の支出だけで財政支出の30パーセントを食い潰しています。
市民はカネを使いすぎ、国は世話を焼きすぎているのです。
就学前児童へのミルクの無償配布の廃止案は撤回されましたが、すでに子供手当の3年間停止は決定しています。

 収入の方は、現在17.5%の付加価値税は11年から2.5%上がり20%になります。
新しく銀行税も定められました。
企業活動を活発にするため現在28%の法人税(日本は30%)を11年から毎年1%ずつ引き下げ、14年には24%にします。

大きな政府から大きな社会へ

「鉄の女」サッチャーが本格的に国の改革に取り組み始めたのは政権2期目に入ってからで、国営企業を民営化し、労働組合をたたき潰しました。
しかしキャメロンは就任1年目から改革に取り組んでいます。
キャメロンは国家の存在が大きすぎるために、個人の責任感がむしばまれてきたと考えています。
個人が自分の人生に責任を持ち、周囲も手助けするような社会…国家の役割を社会に肩代わりさせる「大きな社会」の構築に取り掛かっているのです。
「人は責任を取る自由を与えられたら、自分で物事をやり遂げるようになって、新しい活力を得るだろう」とキャメロンは言います。

今のところ世論調査では有権者の53パーセントが政府の経済運営はうまくいくといっていると答えており、この政策を支持しています。
日本の微温的な政権とは大差を感じています。

12月 6, 2010 3.スクラップ |