« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月 7日 (日)

町全体に江戸時代が息づく今井町〈11月〉

            奈良県橿原(かしはら)市今井町
1
 奈良県橿原(かしはら)市の今井町に行ってきました。
今井町は戦国時代に一向宗の門徒が中心になって造った寺内町(じないちょう)です。
町全体が濠で囲まれており、織田信長に対し、本願寺とともに抗戦しようとしましたが、今井町ゆかりの茶人、今井宗久らのとりなしにより、町はそのまま残され、江戸時代になっても堺とともに自治都市として認められ、海の堺、陸の今井と称される程の繁栄をしました。
火に対する厳しい掟があったため、町全体が戦国時代、江戸時代のまま残されています。
東西600m南北310mの町は、まわりをめぐる濠こそなくなったものの約700軒の民家のうち500軒は江戸時代からのものです。
うち重要文化財8棟が指定されていて、一番古い今西家は慶安3年(1650)に建築されています。
ここの特色は江戸時代からの建物もほとんどが現在も人が住んでいて活用されていることです。
「日本で一番残したい町」1位に選ばれたことがあるだけあって、町を歩いていると江戸時代にタイムスリップをしたような感じにとらわれます。
今も時代劇の撮影などにも使われるそうで、角を回った途端チョンマゲを結った武士が出てきても何の不思議もないような街並と裏通りが続いています。
今まで回った中では三重の関宿が、一番町並が保存されていると思っていましたが、この今井町の方が上かもしれません。
わざわざ訪れても価値のある場所だと思いました。

11月 7, 2010 1.日々是好日 |

2010年11月 6日 (土)

甦るハウステンボス〈11月〉

 エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長がハウステンボスの社長に就任し、9月下旬で半年になります。
無料ゾーンの新設や料金引下げなどで来場者数は順調に回復し、夏休み期間の入場者数は韓国、台湾の観光客回復もあり、前年同期の38%増の34万5000人を記録し、4~6月の四半期決算で開業以来初の経常黒字を達成しました。

ハウステンボスは長崎県佐世保市にあり、1992年に開業しました。
総面積は46万1千坪と、東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたものと同規模で、連続した敷地面積では日本最大です。
園内はオランダに実在する建物を忠実に再現するというコンセプトのもとに施設や町の紋章までもオランダ政府の協力や助言に基づいています。
最奥部のハウステンボスはオランダ王宮の宮殿を模したもので、王室の許しを得てほぼ完全に王宮を再現してあります。
全長6000m、幅20~30mの運河建設やヘドロの土地の土地改良と40万本の植樹など過剰な施設投資の結果、初期投資2300億円がかかりました。
1996年には総入場者数380万人を記録したが、リピーターを呼べなかったため、2001年には292万人にまで減少し、2003年には会社更生法の適用を受け、破綻しました。
その後、野村プリンシバル・ファイナンスをスポンサーとして再建に努めましたが、2008年のリーマンショックにより来場者が減少し、2010年3月野村プリンシバルも支援から手を引きました。
日本のテーマパークは、ハウステンボスだけでなく他の施設も苦戦しています。
2009年の遊園地、テーマパークの経営企業の売上高は7544億円ですが、東京ディズニーランドが3185億円と突出し、他は4359億円にしかならず、前年比3.5%の減少となっています。

テーマパークの苦戦の原因は次のように考えられます。

1.建物は立派だが、人を引きつける魅力に欠ける―1987年に
  制定されたリゾート法の下で日本中に乱造された多くのテーマ
  パークに当てはまることです。
  日本のテーマパークは設備投資によって集客を増やすハード
  重視で、イベントや接客で魅力的な空間を出すソフトの魅力に
  欠けることが欠点です。
  そのため集客が落ちると新しい施設の建設に走り、それが負
  債を膨らませて、経営を圧迫する死の病となります。
  資金繰りに窮するとコスト削減のため施設を閉鎖します。
  そうすると更に客足が遠のくという悪循環に陥ります。
  ハウステンボスもこの悪循環に陥り、次々に施設を閉鎖し、
  まるで、ゴーストタウンのような一角が出来上がりました。
2.多くが第三セクターとして出発するため、自治体の公共性を重視
  と民間の収益性重視の狭間に置かれることです。
  料金設定も割安になり教育効果までも考えてしまうため、面白味
  のない娯楽性の欠けるものとなり、客を失望させてしまいます。
  県民の税金を300億円も投じながら、2008年12月に閉鎖された
  岡山のチボリ公園がこれにあたります。

HISの澤田氏はこう考えました

 「欧州の美しい街並みを再現しようとしたけれど、それはどこまで頑張っても偽物…だから街としての猥雑な感じがない。ヨーロッパの街は一見きれいだけれど、路地裏に入れば人間くさい活気がある。」

猥雑な街の活気をとりもどすべく、支援開始後は次々と手を打っていきます。
閉鎖された建物を次々と再開させました。
安価なイベントを仕掛けては活気を生みだします。
運河は釣堀として活用しました。
これからは釣った魚をその場で調理できるようにしようと考えています。
博物館はお化け屋敷やホラー館に改装され、屋外にはゲゲゲの鬼太郎の着ぐるみが子供を追いかけ回します。
ダンスショーを午後9時すぎまで開き、午前0時閉店のマジックバーには、人だかりができます。
場内の飲食店や土産物店は10時まで営業します。
五カ国から花火師を集めた世界花火大会も開催しました。
来春にはイングリッシュ村を造ります。
ホテルや飲食、娯楽施設まで、全て英語で対応します。
外国人スタッフを確保するため佐世保の米海軍の協力もとりつけました。
英会話合宿も企画し、アジア全域から生徒募集します。
東洋一のアウトレットモール計画には、中国人専門館をつくり、日本製の化粧品、電気釜、カメラを揃えます。
上海と佐世保を結ぶ航路を新設し、10,000円で運びます。

彼には建物をどう見せるかという発想は少しもありません。
建物をどう生かし、それをどう活用するのかを考えています。
もともとのコンセプトにはこだわらず、それに及したものでもどんどん活用できるものは活用する。
少しでも役にたちそうなものがあれば取敢えずやってみるという気概がみられます。
苦しくなった会社を甦らせる手法も同じではないかと思います。
逡巡することなく、考えられる手は何でもやる、、、。
私たちも澤田社長を見習いたいものです。

11月 6, 2010 2.チャレンジ |

2010年11月 5日 (金)

ウナギは陸で創る〈11月〉

2010112
 土用の丑の日に、栄養価の高いウナギを食べ、暑い夏を乗り切ろうというアイデアは約200年前の発明家、平賀源内が発案したという説が有力ですが、ウナギの流通量が世界的に急減しています。
日本で食べられるウナギは99%が養殖もので、そのうち3分の2は中国からの輸入で国内産は3分の1にしか過ぎません。

 養殖ウナギは天然ウナギの稚魚であるシラスウナギを捕獲して育てます。
このシラスウナギの捕獲量が年々減少しており、特に今年は悪く、前年比7割減と壊滅状態になっており、欧州ではシラスウナギの捕獲に制限をかける動きがあります。
このため世界のウナギ消費量の7割を占める日本では、卵から孵化させて育てる「完全養殖」の実現が望まれていました。
研究は1960年代に始まりましたが、ウナギの生態に不明なことが多く実現されませんでした。
成長したウナギは、川の中流から下流、あるいは河口や湖から生息しますが、産卵には海へ帰ります。
広い太平洋のどこで卵を産み、何を食べて育ち、どうやって日本に戻ってくるのかは長きにわたって謎でした。

ウナギの産卵場はマリアナ諸島近海

 そんな中、今年4月に独立行政法人、水産研究総合センターが「ウナギの完全養殖」に成功しました。
これは、それに先立つ2つの研究の成果を生かしたことにより達成できました。
1つは東大海洋研究所が2005年の調査で日本から2500kmも離れたマリアナ諸島南西海域で孵化したばかりのウナギの仔魚を大量に発見したことです。
水産総合研究所センターはその海域のデータを総合的に活用し、仔魚育成のための餌や最適水質、水温などを探究しました。

もう1つは卵の採取です。
ウナギの産卵は、海で産卵場所に向う際にホルモンが分泌されて産卵するので、産卵誘発が不可欠でしたが、サケの脳下垂体抽出液をウナギの雌に注射して成熟を促し、さらに別のホルモンを注射して排卵を促進して産卵させる技術を北海道大学などが確立していたことです。
現在は孵化後100日の生存率は20%近くまで上がり、水産総合研究センターで誕生したウナギが成魚となって産んだ卵が今年4月に孵化しました。
一応完全養殖のサイクルが完成したところです。
しかし、養殖場所はまだ小さな水槽で、適用化には何十万匹規模での養殖が必要です。
今のところ大きな水槽での実験は苦戦しています。
まだ実用化までには少々時間が必要なようです。

11月 5, 2010 3.スクラップ |

2010年11月 4日 (木)

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理〈11月〉

リーダーが忘れてはならない3つの人間心理

小阪 裕司 フォレスト出版

 小阪氏の本はこのコーナーでしばしばとり上げていますが、本書もその一冊です。
私は小阪氏が主催する「ワクワク系マーケティング実践会」にもう10年以上加入しています。
そこから送られてくる、全国各地で行われている、マーケティングの実践例を読みながら、素晴らしい実践記録に感心しつつ、自分のマーケティング知識の補充につとめています。
小阪氏の優れている点は、基本の軸が全くブレないことです。
しかしその基本を語る時、その表現は時の推移と共に変わっています。
新しい知識によって次々に補充されているからです。
この本は集団全体を高め、結果的に一人ひとりの意識を高めるために知っておくべきことが書かれています。
その知るべきことは「人間について知ること」です。
人の心にスイッチを入れるための大原則は次の3つです。

第一原則…「快」と結びつける
 人は「ワクワクすること=快」しかやろうとしません。
「快」とつながれば脳は活性化し、力を発揮します。
「快」は「魂のごちそう=自分がやったことを他人からほめられ、ねぎらわれること」です。
最大の「快」は「ねぎらい」です。
「ほめる」ことはある条件が整ったときに「ほめる」のに対し、「ねぎらい」は無条件の行為です。
魂のごちそうを一度味わったことのある人は、いつでも味わいたくなります。

第二原則…「意味」を与える
 人は「意味のないことはやろうとしないし、やりたくありません。
人は「意味」を求める存在です。
「意味」が人の生きる力を発動させます。
仕事を与えるときにも意味が必要です。
「何をやるか=仕事の意味」を教える必要があります。
「意味」のない行為を続けると人は強い不快に陥り、精神健康度が低下していきます。
自分のやっていることが「快」とつながり、「意味」を感じ、日々充実した状態にある人は精神健康度も高くなり、常に「能力のある、意欲の高い人」であり続けます。

第三原則…演じさせる
 人は演じた通りの人間になります。
ハーバード大学のローゼンソール教授により提唱された「ピグマリオン効果」というものがあります。
「この子たちは頭のいい、伸びる子たちだ」と確信に満ちた期待を持っている教師についた子供は、そうでない教師についた子供たちよりも確実に伸びるというものです。
リーダーたる人はメンバー1人ひとりに対する期待を明確にし、その期待を言葉で表現することです。
「君にこそやってほしい」と。

11月 4, 2010 4.今月の本 |

2010年11月 3日 (水)

11月のアラカルト

霜月(しもつき)

霜降月が転じて「しもつき」

(11月の出来事)

7日(1936・昭和11)帝国議事堂落成式
8日(1947・昭和22)道路交通取締法公布
13日(1981・昭和56)飛べない鳥、ヤンバルクイナと命名される
     沖縄本島で大きな翼を持ちながら、ほとんど飛べない鳥
     が発見される。
     国内で20世紀初の新種の鳥発見とあって大騒ぎし、この
     日この鳥をヤンバルクイナと名づけたと発表。
     天然記念物に指定されたが生息数が少なく、詳しい生態
     は不明。
14日(1930・昭和5)浜口雄幸首相、東京駅で狙撃
     この日浜口雄幸首相は岡山県で行われる陸軍大演習に
     参加するため、東京駅のホームに姿を現した。
     見送りの人々が詰め掛ける中、首相は若い男に六連発の
     モーゼル猟銃で撃たれた。
     浜口首相は異様な風貌と押しの強さから「ライオン首相」
     のニックネームがあったが、狙撃されたあと、「男子の
     本懐だ」と語ったといわれ、一時流行語になった。
17日(1965・昭和40)プロ野球第1回ドラフト会議
23日(1707・宝永4)富士山大噴火
27日(1827・文政10)東大の赤門建つ
     子沢山で知られる徳川第11代将軍家斎は、嫁いだ娘の
     邸がすぐわかるように朱塗の門を建てさせた。
     そのひとつが現在も残る東大名物の赤門。
     本郷の敷地は、当時加賀百万石前田家のものでこの日に
     建てられた。

( 豆知識 )

(問)ジュスやお茶のペットボトルは沢山あるのに、牛乳は全く
   みえません。なぜですか?

(答)厚生省は「乳等省令」で、牛乳の容器は合成樹脂加工紙製
   (紙パック)や透明で内径が2.6センチ以上のガラス瓶に限る
   としてあります。
   ペットボトルは戸外で持ち歩くことが多いことから腐り易い
   牛乳の性質などを考えて、どのメーカーも容器として申請
   するのは控えているようです。      (乳飲料メーカー)

11月 3, 2010 5.今月のアラカルト |

2010年11月 2日 (火)

現場からの報告〈11月〉

B社の場合 百年企業を目指して…その3

 前回は会社から不動産部分を切り離して別会社を作るのに分社型分割と分割型分割という2つ方法があり、分社型分割は100%子会社方式で、これは創業家を守るという目的には向かないことを書きました。
分社型分割は切り出した不動産部分の株を元の会社に持たせ100%子会社にするのに対し、分割型分割はこの株を元の株
主に持たせることにより、相互に関係のない会社にします。

分割型分割にするメリットは次の通りです。
201011 ①銀行借入の際、B社は子会社でないので担保として要求されない。
②B社はA社と全く関係がなくなるのでB社の役員にはA社に気兼ねなく同族関係者を入れられる。
③B社に自己所有不動産を売却することによりB社を拡大できる。

ですから不動産部分を切り離して100年企業を目指すには分割型分割が適切であることになります。

簿価で譲渡されるので、譲渡利益が発生しない

会社分割のメリットは不動産を子会社に移しても簿価で譲渡ができるため、譲渡利益に課税されないことです。
会社の
土地は、バブル以前に購入しているものも多く、それらは取得簿価が低く、時価との差額が大きいため、資産移転に際して譲渡益が発生し、譲渡益に課税される恐れがありますが、会社分割の場合には簿価で譲渡できるので、譲渡益が発生しないのです。
こうして分割型分割にすることにし、作業にとりかかりました。
参考書を見ながら、分割の日を決め、分割する財産を決め、分割計画書をつくり、会計処理、税務処理のやり方を理解
し、これでいいだろうと法務局に持っていったら、新会社法になってから会社分割は分社型分割のみで分割型分割は、なくなったから受理できないというのです。
しかし、どの本を見ても分割型分割の会計処理と税務処理の方法が出ています。
仲間の公認会計士に聞いても、新会社
法になって分割型分割をとり扱った者がなく、途方に暮れてしまいました。

何とかしなければと必死に本を探したところ、ある本に「分社型の分割をする場合に発行する新株を配当として、元の株主に交付する形式をとればよい」との記事を見つけ、事無きを得ました。
当初の分割予定日より1ヶ月遅れてしまいました。

11月 2, 2010 7.現場からの報告 |

2010年11月 1日 (月)

編集後記〈11月〉

● プロ野球もセ・パ共にクライマックスシリーズを終えて優勝が決まりました。
アメリカを真似てクライマックスシリーズが始まったのは、今から3年前からですが、賛成、反対いろいろな意見があると思いますが私は疑問に感じます。
半年に亘る長い戦いで、1勝1勝積み上げられてやっと1位になったのに、3位までのチームと同じ権利しかないのですから1位になる意味がありません。
3位以内に入ればいいのでしたら、今年のセリーグの様に上位3球団と下位3球団の差がはっきりしている場合は3位に入るのは、それ程難しいことはないのではないかと思います。
1位のチームが勝てばいいのですが、敗れてしまった場合は何のための1年間だったのかと悔やまれてしまうでしょう。
早く元のスタイルに戻して欲しいものです
● 尖閣列島で日中が揉めていますが、政府の対応には困ったものです。
釈放に政治介入はしていないと管、仙谷両氏はいまだに否定していますが、検察が日中関係を考慮して釈放したとしたら、それこそ検察の越権行為です。
そんなことがある筈がありません。
外務省幹部に外相が相談した形跡もありません。
こんな時には現場の智恵が必要なのに、3人の素人で決めてしまった様です。
マスコミにも困ったものです。
尖閣列島は日米安保条約の範囲内と折角クリントンが言っているにも拘わらず、そのことを日本の新聞も、テレビもあまり大きく取り上げていません。
こんな時にはアメリカの支援が最も大きな力となるのに、これを利用しようという雰囲気もありません。
NHKのテレビでも白鵬の連勝のニュースがトップニュースで、尖閣は2、3番目に出てくるのですから何とも平和ボケしています。
それにしても一連の動きを見ていると中国という国とはつきあえないという気がします。
中国では、今年から尖閣諸島の領有権を、台湾やチベット、ウィグル自治区と同列の「核心的利益(一切の妥協を拒む他国に譲れない利益)」に位置づけしました。
中国は本気で尖閣列島を取ろうとしています。

11月 1, 2010 8.事務所だより |