« 現代日本の若者の人生観―リーダーになりたくない〈10月〉 | トップページ | アイーダ〈10月〉 »

2010年10月 6日 (水)

Xデーに備えた資産運用〈10月〉

 このところ企業業績は新興国の好景気に引っ張られる形で、比較的好調に推移していますが、急激な円高のせいで先行きは見えない状態になっています。
企業は国内に投資をするよりも海外に投資するのがあたりまえになってきました。
国内雇用がその分だけ海外に移転することになり、ますます国内の景気は悪くなります。
政府は内需振興による景気回復などと言っていますが、前川リポート以来、内需振興が成功したことがありません。
20年以上言い続けていて成功しないものが、突然に成功すると考える方がオカシイと思います。
 こうしているうちにも国の借金は来年3月末には1000兆に迫る状況になってきました。
先月号のお客様の声にもありましたように、私たちもそろそろそれに対する準備をしておくべき時期に来ていると思います。
そんな折も折―「日本破綻」その日に備える資産防衛術―という本が出ました。
著者はこのニューズ・レターの4月号のスクラップでも一度とりあげたことのある藤巻健史氏です。
藤巻氏は、「日本は、年収370万円(税収)なのに920万円ずつ使って、約1億円(9730万円)の借金をしており、年に100万円ずつ返済しても借金返済まで100年かかる人」と形容しています。
消費税を5%から10%にあげてもせいぜい収入は120万ほどしか増えないから、支出を減らさない限り絶対に直りません。
もはや対策を打つには遅すぎる状況になっていると著者は考えています。

国債暴落

このままいくと「国債暴落」という「市場の反乱」によって正されるしかなくなっており、そのXデーは明日起きてもおかしくありません。
国債暴落のシナリオはいろいろありますが、一番可能性が高いのは国債未達(入札で予定通りの購入資金が集まらないこと)です。
2010年度に発行する国債は既発の国債を満期がきたので借り換える借換債120兆と新規発行債44兆円の164兆です。
借換債はそのまま借換が行われるにしても日本国債は95%国内消化ですから新規発行債44兆円の資金源は国内しかありません。
ところが個人金融資産はこの10年1400兆でほとんど増えていませんから個人資産が源泉になりにくいのです。
そろそろ新規債を買うお金がなくなりかけています。
国債未達のニュースが流れると国債先物市場は値幅制限までストップ安し、値がつかないまま数日間が過ぎます。
それと共に現物市場も急落します。
銀行保有の国債はおよそ130兆ありますから膨大な評価損を抱える銀行株は暴落し、それにつられて株式市場も暴落します。
銀行にも預金者が殺到します。
日銀は預金返済の資金供給のため銀行保有の国債を買取ります。
市中に巨額の円が供給されます。
2009年末の国内日銀券の流通量は77.4兆ですから、80兆もの国債が買取られればそれだけで100%のインフレになります。
円も下がりますから輸入物価も上がりインフレは昂進します。
ハイパーインフレ時代の到来です。
こうしたハイパーインフレの時が来ることに対する備えをするかということについて藤巻氏は次のように述べています。
1.この数年間は、資産運用の根本は「守りのスタンス」に徹する
  こと
2.国に頼らない………いざとなっても国は守ってくれない
3.具体的投資方針


避けた方がいいもの

①日本国債、社債…金利の低い今買うのは最低
②金投資…(イ)金価格は世界経済がインフレかデフレかで決まり、
         日本のインフレ率で決まるのではない
         (ロ)金利を生まない
         (ハ)現物保管が大変…業者による保管も業者が倒産
         したらおしまい
③Brics、新興国への投資
       流動性リスク…売りたいときに売れないリスクが高い
④人民元…政府が外為規則をしているので、引出し及び日本への
       送金ができない。
       中国政府は円が強くなりすぎて没落した日本をみて
       いるので「安い人民元」を放さない
⑤海外不動産…管理が大変、税務申告が大変

投資をすすめるもの

A. 海外
原則…・強い国のリスク資産(株、不動産)を買う…但し不動産は
     ⑤に該当しダメ。
     ・ドル優位は変わらず。 
     ・ユーロは原理的に存在が難しい。
     ・人民元は外為法の管理下にあり基軸通貨になりえない
①米国株式…日本の証券会社の店頭で買える
     配当もキャピタルゲインも10%の源泉分離
②米国株を中心とした投資信託
③米国債券…ドル、MMF…米国債や優良企業の社債で運用して
                 いる投資信託
B. 国内
①日本株…円、株、債券トリプル安の時に倒産しない輸出関連銘柄
       電気、ガス、水道のインフラ関係の1.2位の株
②不動産…人が集中する地区の不動産
③債券ベアファンド…国債暴落で儲かるファンド

私もこの本を読んで、今まで考えていたことの誤りに気付かされました。
それはドルが暴落するという通説があまりに頭に染みついていたことと、人民元の強さに魅かれていたことです。
皆様の備えに少しでもお役に立てたらと思います。

10月 6, 2010 2.チャレンジ |