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2010年10月 5日 (火)

現代日本の若者の人生観―リーダーになりたくない〈10月〉

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 青少年問題の研究と解決を目的に1976年から活動を続ける財団法人「日本青少年研究所」は数多くの若者の意識調査を実施してきました。
その1つに日本・米国・中国・韓国の高校生の意識調査があります。

その調査で浮びあがったのが日本の若者の特色に「偉くなりたくない」人生観があります。「偉くなると責任ばかり多くなり損をする」「リーダーになりたくない」何の責任もなく楽しくやれれば一番よいという考え方です。
2007年の「高校生の意欲に関する調査」で「将来の職業」をたずねたところ次の通りでした。  
日本…営業、販売、サービス職  
米国…医者   
中国…企業の経営者、管理職
「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」という考え方を「とてもいいと思う」と答えた割合は次の通りです。
米国…13.8% 中国…17.8% 韓国…21.6%  日本…42.9%

のんびりと暮らしたい

 高度経済成長を遂げた日本は、もはや食べるものに困らなくなり、着るものも他人とは一味違う差異化の時代に入りました。
そこでは昔のような勇気や冒険はもう必要ない、新たな目標は「のんびり」です。
 豊かさと共に失われるのが「競争」です。
大学が増えすぎて入学試験が楽になった。
もう頑張らなくても大学生になれる。
若者たちは不勉強になりました。
企業間の格差もなくなりました。
かつては良い大学から一流企業に入れば、終身雇用が保証されました。
しかし時代は変わり、一流企業に入っても将来は安泰とは限りません。
良い大学や一流企業はもはや高校生の憧れではなくなりました。
「国内の一流大学に進学したい」と思う高校生の割合は、4ヶ国の中で日本が最低です。「高い社会的地位につく」「お金持ちになる」「自分独自の特徴を持つ」でも日本は最低です。
 日本は1980年代に消費社会に突入しました。
そこでは他人とは違う「わたし」の差異化が花開きました。
自分のアイデンティティーも他人との差異に求めるようになりました。
それまでのリーダー像に代表される偉い人ではなく、違いを示す人間、違いのわかる人間が目標にとってかわりました。
自分の中にアイデンティティーを誇示しなくても、普通でいて、生きていくこと自体に何の支障もなくなりました。
頑張らなくてもいい、目立たなくてもいい社会になったのです。

10月 5, 2010 3.スクラップ |