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2010年10月 7日 (木)

アイーダ〈10月〉

 この1ヶ月の間に劇団四季の2つの公演を見ました。
1つは横浜で行われている「キャッツ」で、もうひとつは東京汐留の「アイーダ」です。
2つともほぼ満員でした。
「キャッツ」は、とにかく踊りが素晴らしいの一言です。
狭い舞台をものともせず踊る猫の群れは見事なものです。
1人1人の踊りのレベルも高く、猫になりきってスピード豊かに踊りまくる様に見とれてしまいました。
「アイーダ」は、古代とエジプト、ファラオの時代、エジプトがナイル川を南下しながら原住民であるヌビア人を征服していく途中で起こる、エジプトの将軍とヌビアの女王「アイーダ」との悲恋物語です。
結末は想定外の形で終りますが、舞台はバックの色を様々に変えながら、シルエットも有効に使い、踊りを見栄え良く浮き立たせる巧みなものでした。
踊りもコミカルなものも交えて、楽しく見ることができました。
浅利慶太氏が最大のサービスは「役者の声が最後尾の席にもはっきりと聞こえること」と言われているのを読んだことがありますが、役者の声ははっきりと聞き取れ、発声練習もしっかりとできていることをうかがわせました。
もっとも感心したのは、ステージの最後に、観客との一体感のつくり方が実にうまいことでした。
特にキャッツの場合は客席にまで俳優が出てきて、握手して回るのが自然に行われており、客と一体化していることによる顧客満足の高さがうかがわれました。

10月 7, 2010 1.日々是好日 |

2010年10月 6日 (水)

Xデーに備えた資産運用〈10月〉

 このところ企業業績は新興国の好景気に引っ張られる形で、比較的好調に推移していますが、急激な円高のせいで先行きは見えない状態になっています。
企業は国内に投資をするよりも海外に投資するのがあたりまえになってきました。
国内雇用がその分だけ海外に移転することになり、ますます国内の景気は悪くなります。
政府は内需振興による景気回復などと言っていますが、前川リポート以来、内需振興が成功したことがありません。
20年以上言い続けていて成功しないものが、突然に成功すると考える方がオカシイと思います。
 こうしているうちにも国の借金は来年3月末には1000兆に迫る状況になってきました。
先月号のお客様の声にもありましたように、私たちもそろそろそれに対する準備をしておくべき時期に来ていると思います。
そんな折も折―「日本破綻」その日に備える資産防衛術―という本が出ました。
著者はこのニューズ・レターの4月号のスクラップでも一度とりあげたことのある藤巻健史氏です。
藤巻氏は、「日本は、年収370万円(税収)なのに920万円ずつ使って、約1億円(9730万円)の借金をしており、年に100万円ずつ返済しても借金返済まで100年かかる人」と形容しています。
消費税を5%から10%にあげてもせいぜい収入は120万ほどしか増えないから、支出を減らさない限り絶対に直りません。
もはや対策を打つには遅すぎる状況になっていると著者は考えています。

国債暴落

このままいくと「国債暴落」という「市場の反乱」によって正されるしかなくなっており、そのXデーは明日起きてもおかしくありません。
国債暴落のシナリオはいろいろありますが、一番可能性が高いのは国債未達(入札で予定通りの購入資金が集まらないこと)です。
2010年度に発行する国債は既発の国債を満期がきたので借り換える借換債120兆と新規発行債44兆円の164兆です。
借換債はそのまま借換が行われるにしても日本国債は95%国内消化ですから新規発行債44兆円の資金源は国内しかありません。
ところが個人金融資産はこの10年1400兆でほとんど増えていませんから個人資産が源泉になりにくいのです。
そろそろ新規債を買うお金がなくなりかけています。
国債未達のニュースが流れると国債先物市場は値幅制限までストップ安し、値がつかないまま数日間が過ぎます。
それと共に現物市場も急落します。
銀行保有の国債はおよそ130兆ありますから膨大な評価損を抱える銀行株は暴落し、それにつられて株式市場も暴落します。
銀行にも預金者が殺到します。
日銀は預金返済の資金供給のため銀行保有の国債を買取ります。
市中に巨額の円が供給されます。
2009年末の国内日銀券の流通量は77.4兆ですから、80兆もの国債が買取られればそれだけで100%のインフレになります。
円も下がりますから輸入物価も上がりインフレは昂進します。
ハイパーインフレ時代の到来です。
こうしたハイパーインフレの時が来ることに対する備えをするかということについて藤巻氏は次のように述べています。
1.この数年間は、資産運用の根本は「守りのスタンス」に徹する
  こと
2.国に頼らない………いざとなっても国は守ってくれない
3.具体的投資方針


避けた方がいいもの

①日本国債、社債…金利の低い今買うのは最低
②金投資…(イ)金価格は世界経済がインフレかデフレかで決まり、
         日本のインフレ率で決まるのではない
         (ロ)金利を生まない
         (ハ)現物保管が大変…業者による保管も業者が倒産
         したらおしまい
③Brics、新興国への投資
       流動性リスク…売りたいときに売れないリスクが高い
④人民元…政府が外為規則をしているので、引出し及び日本への
       送金ができない。
       中国政府は円が強くなりすぎて没落した日本をみて
       いるので「安い人民元」を放さない
⑤海外不動産…管理が大変、税務申告が大変

投資をすすめるもの

A. 海外
原則…・強い国のリスク資産(株、不動産)を買う…但し不動産は
     ⑤に該当しダメ。
     ・ドル優位は変わらず。 
     ・ユーロは原理的に存在が難しい。
     ・人民元は外為法の管理下にあり基軸通貨になりえない
①米国株式…日本の証券会社の店頭で買える
     配当もキャピタルゲインも10%の源泉分離
②米国株を中心とした投資信託
③米国債券…ドル、MMF…米国債や優良企業の社債で運用して
                 いる投資信託
B. 国内
①日本株…円、株、債券トリプル安の時に倒産しない輸出関連銘柄
       電気、ガス、水道のインフラ関係の1.2位の株
②不動産…人が集中する地区の不動産
③債券ベアファンド…国債暴落で儲かるファンド

私もこの本を読んで、今まで考えていたことの誤りに気付かされました。
それはドルが暴落するという通説があまりに頭に染みついていたことと、人民元の強さに魅かれていたことです。
皆様の備えに少しでもお役に立てたらと思います。

10月 6, 2010 2.チャレンジ |

2010年10月 5日 (火)

現代日本の若者の人生観―リーダーになりたくない〈10月〉

11010096
 青少年問題の研究と解決を目的に1976年から活動を続ける財団法人「日本青少年研究所」は数多くの若者の意識調査を実施してきました。
その1つに日本・米国・中国・韓国の高校生の意識調査があります。

その調査で浮びあがったのが日本の若者の特色に「偉くなりたくない」人生観があります。「偉くなると責任ばかり多くなり損をする」「リーダーになりたくない」何の責任もなく楽しくやれれば一番よいという考え方です。
2007年の「高校生の意欲に関する調査」で「将来の職業」をたずねたところ次の通りでした。  
日本…営業、販売、サービス職  
米国…医者   
中国…企業の経営者、管理職
「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」という考え方を「とてもいいと思う」と答えた割合は次の通りです。
米国…13.8% 中国…17.8% 韓国…21.6%  日本…42.9%

のんびりと暮らしたい

 高度経済成長を遂げた日本は、もはや食べるものに困らなくなり、着るものも他人とは一味違う差異化の時代に入りました。
そこでは昔のような勇気や冒険はもう必要ない、新たな目標は「のんびり」です。
 豊かさと共に失われるのが「競争」です。
大学が増えすぎて入学試験が楽になった。
もう頑張らなくても大学生になれる。
若者たちは不勉強になりました。
企業間の格差もなくなりました。
かつては良い大学から一流企業に入れば、終身雇用が保証されました。
しかし時代は変わり、一流企業に入っても将来は安泰とは限りません。
良い大学や一流企業はもはや高校生の憧れではなくなりました。
「国内の一流大学に進学したい」と思う高校生の割合は、4ヶ国の中で日本が最低です。「高い社会的地位につく」「お金持ちになる」「自分独自の特徴を持つ」でも日本は最低です。
 日本は1980年代に消費社会に突入しました。
そこでは他人とは違う「わたし」の差異化が花開きました。
自分のアイデンティティーも他人との差異に求めるようになりました。
それまでのリーダー像に代表される偉い人ではなく、違いを示す人間、違いのわかる人間が目標にとってかわりました。
自分の中にアイデンティティーを誇示しなくても、普通でいて、生きていくこと自体に何の支障もなくなりました。
頑張らなくてもいい、目立たなくてもいい社会になったのです。

10月 5, 2010 3.スクラップ |

2010年10月 4日 (月)

からす組〈10月〉

からす組

早乙女 貢 講談社文庫

 800頁に及ぶ作品でしたが、一気に読んでしまいました。
からす組に関しては、本書の著者、早乙女貢の他に子母澤寛、大仏次郎の二氏も小説にしており、それだけ、興味を惹く題材だということでしょう。

 早乙女貢の曽祖父為親は会津藩士であり、早乙女は幕末から明治にかけての改革は「革命」による変革ではなく薩長による「政治的陰謀」という視点でとらえています。

 会津藩や仙台藩を中心とする奥羽越列藩同盟軍と薩長を主力とする奥羽鎮撫総督府の征東軍との戦いは東北各地で繰り広げられますが、薩長の西軍は圧倒的な火力で東北南部の拠点を次々と陥落させていきます。
陥落した藩は西軍の激しい略奪と暴行になす術もなく蹂躙されていきます。
特に農民兵を中心とする長州藩の略奪と暴行は目を覆う程のものだったと言われていますが、この事実は、日本の歴史の中ではほとんど語られることはありません。
歴史は常に勝者の視点で語られるからです。

 慶応四年五月、白河城落城を機に仙台藩士細谷十太夫は、世襲による大名軍団の弱腰に不甲斐なさを痛感させられ、失うもののない無頼の強さを発揮する渡世人や農民で「衝撃隊」を組織し自ら隊長に就任します。
その時に十太夫が書いた妓楼柏屋の前の「仙台藩細谷十太夫本陣」の貼紙は昭和の初めまで柏屋の家宝として保存されていたということです。
 「衝撃隊」は黒装束に長脇差一本で明治新政府軍に夜襲攻撃を敢行し、新政府軍を恐怖のどん底に陥れます。衝撃隊の新政府軍への襲撃回数は30数回に及び、その全てに勝利します。
こうして衝撃隊は列藩同盟軍の主戦力になります。
 細谷十太夫が黒装束の上に着ていた半纏の背中にカラスの文様が描かれていたことと衝撃隊が黒装束を身にまとったことから、衝撃隊は新政府軍から「からす組」とよばれ、大いに恐れられました。
十太夫は東北地方の農民の英雄となり「細谷からすと十六ささげ(棚倉藩士16人のこと)、無けりゃ官軍高枕」の唄がはやりました。

細谷十太夫は、仙台藩最後の決戦「旗巻峠の戦い」に参戦し、仙台藩が降伏すると、衝撃隊を解散し、新政府の追っ手をのがれ逃亡、潜伏します。
戊辰戦争の大赦令が発令されると姿を現し、日清戦争で陸軍少尉となり、千人隊長として活躍します。
明治40年、仙台龍雲院の住職として、68歳で没しました。

10月 4, 2010 4.今月の本 |

2010年10月 3日 (日)

10月のアラカルト

 神無月(かんなづき)

 全ての神が出雲大社に集まるので、諸国の神社では
 「神無し月」

(10月の出来事)

3日(1964・昭和39)日本武道館開館
     東京オリンピックの柔道競技場として、千代田区の北の丸
     公園内に建設される。
     1969年のビートルズ初来日。
     公演が武道館で行われた初めてのコンサート。
8日(1932・昭和7)国立公園初の12選
     1931年に国立公園法が施行され、それに基づきこの日、
     北海道・大雪山と阿寒、東北・十和田、関東・日光、
     中部・富士と日本アルプス、近畿・吉野と熊野、
     中国・瀬戸内海と伯耆大山、九州・阿蘇と雲仙、霧島の
     12ヶ所が初の国立公園に選定される。
10日(1969・昭和44)金田正一が400勝達成 
12日(2000・平成12)イチロー米大リーグへの挑戦を発表
     プロ野球オリックスのイチローが2001年のシーズンから
     米大リーグへの挑戦を発表。野茂英雄をはじめとする投手
     が大リーグで活躍するなか、野手としては日本人初の挑戦
     となる。
     2000年シーズンのイチローの打率は3割8分7厘(パ・リーグ
     新記録)で、7年連続首位打者に輝いている。
21日(1800・寛政12)伊能忠敬、全国地図の作成開始
     全国測量を思い立った伊能忠敬は1800年(寛政12)に
     北海道からその作業を開始。
     この年の10月21日、江戸に戻って、地図を作り始める。
     時に忠敬56歳。
     その後14年の歳月をかけて全国の測量を完了。
     日本全国の作成にあたったが74歳で死亡。
     「大日本沿海輿地全図」は忠敬の死後3年目に、彼の弟子
     たちが完成させる。

( 豆知識 )

(問)カキの生食用と加熱用はどう違うの?鮮度の違い?

(答)鮮度は同じですが、養殖場所や処理過程が違います。
   生食用の養殖は海水中の細菌数などが食品衛生法の一定の
   基準を満たしている海域でないと行えません。
   またカキに含まれている大腸菌が100グラム当り230以下、一般
   の細菌数は1グラム当り5万以下が条件です。
   そのため紫外線で殺菌したり、海水につけたり滅菌処理を施し
   ます。
   加熱用は取れたままの状態です。
   コクやうまみは生食用より多いので、火を通す分は加熱用が
   オススメ。(広島県食品衛生室)

10月 3, 2010 5.今月のアラカルト |

2010年10月 2日 (土)

現場からの報告〈10月〉

B社の場合 百年企業を目指して…その2…会社の分割

 前回は百年企業を目指すためには、個人と会社の混同している財産、債務人的要素の関係を
(1)会社(事業)と(2)不動産賃貸会社(3)同族関係者個人の「家」の3つに区分することが必要であるということを述べました。

そして事業会社は無借金経営を目指し、不動産担保や個人保証無で借りられる借金の範囲で借入をし、第三者にも経営を託すことができるようにしておくことが必要であることまでを書きました。

 借り替えや新規借入の場合必ず社長の連帯保証を要求されます。
そして問題なのは、その借入金が全額返済されるまで、たとえ社長を交替しても銀行はその保証を抜かないことです。
ですから第三者に経営を渡す必要のある会社は個人保証なしで借りられる形を整えておかなければならないのです。

分社型分割と分割型分割

 事業会社から不動産賃貸部門を抜き出して別会社にする方法を「会社分割」といいます。「会社分割」は「事業に関して有する権利義務の全部又は一部を他の会社に包括的に継承させる行為」です。
「会社分割」には「分社型分割」と「分割型分割」の2つがあります。        
「分社型分割」とは、新設会社が新たに発行する株式を分割会社自体に割り当てる分割であり、分割会社の株主に割り当てる分割を「分割型分割」といいます。
1

分社型分割の問題点

①事業会社が経営不振に陥った場合、事業会社は子会社である不動
 産会社の不動産を担保に借金する誘惑から逃れられません 
②事業主本人が持っている不動産を会社に売って不動産会社を大き
 くしようと思ってもその不動産会社は親会社の100%所有なので、親
 会社の不動産を増やすことにしかなりません
③不動産会社は親会社の100%所有なので、同族関係者をこの不動
 産会社の役員や社員にした場合、彼らの給料をとることがやりにくく
 なります

10月 2, 2010 7.現場からの報告 |

2010年10月 1日 (金)

編集後記〈10月〉

●キャッツのフィナーレでは、残念ながら私の前の人で終り、他の場所にいってしまいましたが、キャッツの衣装をつけた踊り手を目に前に見るのは迫力があります。
アイーダでもカーテンコールに何度も応えて、観客と一体になっていました。
四季は顧客満足をあげるために、いろいろ工夫をしているなと感じました。
先ごろ、サービス産業生産性協議会が発表した、09年の8業界74社の顧客満足度の調査で、劇団四季は、長年第1位を維持していたTDL(東京ディズニーランド)を抜き、第1位になっています。

●ニューズ・ウィーク9月1日号で「世界の成長力&幸福度ランキング」が発表されていました。
総合ランキング1位はフィンランド、2位スイス、3位スウェーデンで日本は9位にランクされていました。アメリカ11位、ドイツ12位です。
上位は皆人口の少ない国で、人口の多い国でみると第1位日本、第2位アメリカ、第3位ドイツとなっています。
日本は医療では1位、生活の質でも4位、教育でも5位、にランクされています。
しかし経済活力では辛うじて10位に入っています。

「世界の成長力&幸福度ランキング」(ニューズウィーク10年9月号)
098
日本は戦後60年、懸命に働いて豊かになりました。
バブル崩壊によりこの20年間は低迷していますが、それでも世界からみると非常に良い社会を築いてきたことをニューズ・ウィークのランキングは物語っています。
しかしその営々と築いてきた質の良い社会も財政政策の失敗から危機に瀕しています。
自分の身は自分で守るしかないのでしょうか?

10月 1, 2010 8.事務所だより |