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2010年8月 6日 (金)

再生なるか大学経営〈8月〉

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 募集停止、大学閉鎖―これは今や珍しいことではありません。
昨年初から募集停止を発表したのは5大学で2009年度に赤字だった私立大学は全体の4割に当たる229校でした。
今後さらに閉鎖を発表する大学が増えるのではないかと関係者はいいます。
 背景には急速に進む少子化と大学の増加があります。
この20年で大学志願者数は、延べ400万人から300万人へと100万人も減少しました。
ところがその一方でこの20年間で200近い大学が誕生し、需給のバランスは完全に崩れてしまいました。
それに追い討ちをかけたのが2008年の金融危機です。
駒澤大学154億円、慶応大学169億円、上智大学80億円と有名私立大学の多くは資産運用で巨額の損失を出してしまいました。
私立大学は保有する資金を運用することで利益を稼ぎ、それを事業に回してきました。
しかし、損失を被ったことで、予定していた事業を先送りせざるを得なくなるなど経営計画の変更を迫られています。

難易度で東大を越える大学

 そんな中で厳しい環境を乗り切るために奮闘する大学もあります。
公立国際教養大学。大手予備校の大学合格難易度ランキングで東京大学を超える大学が秋田県の郊外にあります。
ここは秋田県によってわずか6年前に設立された、国際教養大学です。
「入学よりも卒業が難しい」といわれる欧米の大学のように、学生を徹底的に勉強させます。
原則的に授業は全て英語。
入学した学生は、最初は英語のレッスンだけを受け、一定のレベルに達しないと通常の授業は受けられません。
クラスは15人の少人数制で1年の留学も義務づけ、海外の大学でも経験を積ませます。
学生はキャンパス内の学生寮に住み、図書館は24時間利用できます。
教員の給与は年俸制で学生、同僚、上司、学長の評価が反映され、任期は最長9年です。
「国際舞台で活躍したい」という志願者が集まり2009年は定員の95人に対して1000人を超える志願者が集まりました。

金沢工業大学。就職率の高さを売りに支持を集めているのが石川県の金沢工業大学です。
「授業料を払う親にとって、子供の就職が最大の関心事、できるだけ手助けをする」というのが基本方針です。
学生が入学したその日から就職支援が始まります。
学生がます記入するのが「キャリアデザインシート」。
自分自身の過去を分析し、大学生活をどう過ごすか、将来の目標は何かということを記入します。
学校生活では、一週間の行動履歴をオンラインのシート上に記入し、受けた授業、課外活動、休日の過ごし方、気付いたことなどを記入します。
この行動履歴を基に担任教授がアドバイスをします。
企業出身のアドバイザーは生徒の就職相談にのるだけでなく、1年間に2000近くの企業を訪問し、学校をPRします。
毎年9割近くの就職率を誇ります。

8月 6, 2010 3.スクラップ |