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2010年5月 6日 (木)

能力不足のダメ教師は今すぐクビにしろ〈5月〉

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 アメリカの初等・中等教育のレベルの低下が「国家的な恥」とか「国の将来への脅威」といわれるようになって久しい。
かつてアメリカの学力は世界で一番でした。
しかし今はヨーロッパ諸国と競わせればベスト10にも入れないあり様です。
 この50年ほど現場の教師たちは、正しい教え方さえ分かればうまくいくと考えてきました。
そして「新しい数学」や「オープン教室」読書を重視する「ホール・ランゲージ」といった、新しい方法を次々と試してきましたが、どれ1つとして、大幅かつ長期的な学力改善にはつながりませんでした。

肝心なのは教師の質

 だが最近研究者たちは、これまで明白であったが多くの理由から否定されてきた事実をようやく認めはじめました。
肝心なのは1クラスの生徒数でも、教科書でもなく、教え方やテクノロジー、カリュキュラムでもない、……教師の質だという事実です。
 何年も続けて優秀な担任教師に恵まれた子は、家庭環境にかかわらず、テストで高い得点をとるのに、質の低い担任がわずか2年でも続いた子は、2度と遅れを取り戻すことができません。
だったら質の高い教師を雇って、質の低い教師をクビにすればいい。
だがこの単純に見える措置が難しいのです。

ダメ教師もクビにできない

 マッキンゼー社の分析によると、アメリカの初等中等教育の教師のほとんどは、高校時代に大学進学が決まっている生徒の中で、下から1/3に入る成績でした。
(教育大国のフィンランドでは上位10%に入る)
アメリカの公立学校は、優秀な人材を招き寄せてこなかったのです。
 クビにするのも難しい。
教員組合の力がますます強くなっており、ほとんどの州では教職に就いてから2~3年たつと、終身の教員資格が得られ、特別の事情がない限り教師はクビにできません。
ニューヨークでは08年3万人の終身教員のうち、特別な事情で解雇されたのはわずかに3人、シカゴでは能力不足を理由に解雇されたのは0.1%、コロラド州デンバーは0%、オハイオ州マクロンは0%…。
アメリカでは毎年99%の教師が「合格レベル」というお墨付きを得ます。
教師を解雇すれば組合に訴えられ、法外な訴訟費用を強いられることになります。
生徒の点数を教師の評価に反映させれば、効果があることはわかっても、教員組合の強いニューヨークなど各州では終身職の教員の査定は法律で禁止されています。

5月 6, 2010 3.スクラップ |