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2010年3月 7日 (日)

ブーニン&山下洋輔〈3月〉

1_2[スタニスラフ・ブーニン]
1966年モスクワ生・83年17才でロン=ティボー国際コンクール優勝
85年に19才で第11回ショパン国際コンクール優勝・併せてコンチェルト賞とポロネーズ賞を獲得・「ブーニン現象」を巻き起こす
[山下 洋輔]
1942年東京生・国立音大作曲科卒・麻布高校3年にプロデビュー
和太鼓やオーケストラとも共演・映画「カンゾウ先生」作曲
芸術選奨文部大臣賞(大衆芸能部門)・紫綬褒章・毎日映画コンクール音楽賞
日本アカデミー賞優秀音楽賞・国立音楽大学招聘教授・名古屋芸術大学客員教授・エッセイスト
タモリを発掘・兄はヒゲタ醤油㈱元代表取締役

 何という柔らかで豊かな音色を弾き出すのでしょうか。
ブーニンのピアノは、柔らかく、つつみ込まれるような音色で心の中に流れこんで来ます。こんな豊かなピアノの音を聴いたのは初めてです。
柔らかい音だけてなく、強く弾いた音にもまろやかな味が込められています。
次から次へと流れ込んで来るピアノの響きにすっかり心を捉えられてしまいました。
対する山下洋輔はジャズピアノ特有の早いテンポと高い乾燥した音を自在に操り、自分の世界に聴衆を引き込みます。
67才という年齢を全く感じさせない、軽快さと力強さでグングン引っ張ります。
第三部は2人のコラボです。ブーニンのクラシックに山下のジャズピアノが割り込むのです。
初めはどうなることかと思っていましたが、クラシックに割り込むジャズピアノの音に全く違和感がないのです。
クラシックの調べの中にしっかりと入り込み、一つの曲の様に感じられるのが不思議です。
山下はブーニンの曲を聴きながら、楽し気に割り込みます。
ある時は激しく弾き合い、ある時は静かに耳を傾けます。
ブーニンも、山下の曲、バッハやドビッシイーの曲を自在に操り、割り込むピアノと合体しています。
2人のコラボは完全に聴衆を魅了していました。
万雷の拍手が鳴り止みませんでした。
ブーニンと山下は、互いの演奏会に行きあい食事をする23年来の友人で、初めてのコラボ企画だということでした。ブーニンの茶目っ気のあるトークも愉快でした。
          (東京オペラシティニューイヤー・ジャズ・コンサート2010)
   

3月 7, 2010 1.日々是好日 |