« ビジネス脳を磨く〈10月〉 | トップページ | フジヤマのトビウオの死〈10月〉 »

2009年10月 6日 (火)

CO2の排出戦争〈10月〉

0910054
 バラク・オバマ大統領は、温室効果ガスの排出削減に関してリーダーシップを取ると宣言し、「米クリーンエネルギー・安全保障法案」が米議会下院で可決されました。
しかし6月にボンで開かれた温暖化対策の枠組みに関する国連作業部会では20年までに地球の平均気温の上昇を2度までに抑えるために必要な数値として温室効果ガスを90年のレベルから25%~40%削減するという目標に対し意見がまとまらないまま閉幕しました。
 CO2排出規制に関しては、先進国と途上国との間に溝があります。
貧しい国は京都議定書では、規制から徐外されていました。
しかし、その後の10年の急速な工業化によって、中国や他の新興国の排出量の増加を大幅に抑制しない限り、地球規模の排出削減はおぼつかないことが明らかになりました。でも途上国にすれば、先進国に追いつき、貧困から抜け出すには経済を成長させるしかなく、排出削減のために成長にブレーキをかけるわけにはいきません。
中国の担当者は過去200年にわたって温室効果ガスを排出してきたのは先進国なのだからその後始末をするのは彼等の責任であり、中国は経済成長に専念すると主張します。新興国の大半は削減目標の設定を拒否するだけでなく、排出量の増加ペースを落とすことにも消極的です。

先進国は規制によるコスト増を懸念

 先進国の政府は自国企業が厳しい排出規制に従うことで、製造コストが上昇するのに対して、排出義務のない中国のライバル企業が勢いづくことを懸念しています。
米エネルギー長官は、中国のような国に温暖化ガスの削減を求めるために、輸入関税を武器として使う用意があると語っています。これに対して中国当局者は報復も辞さない構えです。
一方ヨーロッパは中国とアメリカが温暖化ガスの排出削減に同意しなければ、貿易制裁を果たすべきだと考えています。
 しかし保護主義的な主張は温暖化防止に向けた努力を損なうものであるだけでなく事実にも反しています。
企業が工場進出を決定する際、環境規制はほとんど考慮されておらず、重要なのは市場へのアクセスでその次は人件費です。
 排出削減を途上国にとって魅力的なものにするために、先進国がどの程度コストを負担する気があるかをはっきりと示すことです。
しかし現実には、温暖化防止の議論の焦点は環境保護よりも安価な中国製品の流入が雇用を奪い企業に打撃を与えかねないという点に傾きがちです。

10月 6, 2009 3.スクラップ |