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2009年9月 5日 (土)

スパイ狩りの天国、中国の恐怖〈9月〉

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 中国でビジネスをする外国企業の幹部は十分に気をつけた方がいいようです。
スターン・フーは英豪系資源大手リオティントの中国責任者として中国を相手に厳しい姿勢で交渉に臨んできましたが、リオティントの鉱石を中国側がいくらで輸入するかをめぐる価格交渉が長期化し、ついに暗礁に乗り上げた7月5日、フーは3人の部下と共に身柄を拘束されました。
フーの身柄拘束を伝える中国の国営メディアの報道には、「スパイ」「国家機密」「贈賄」といった言葉が飛び交っています。
中国当局によれば、フーと部下3人の容疑は、国家機密を盗みスパイ行為を行い中国の経済的利益に「重大な損害」を与えたと伝えています。

外国人数百人が逮捕

 リオティントと中国との関係はフーが逮捕される前から厳しくなっていました。
同社は中国アルミ業公司(チャイナルコ)から195億ドルの出資を受けることで一旦は合意をしていたのに、6月に合意を破棄したため、中国のメディアでは同社を敵視する報道を強めていました。
母国オーストラリアのスミス外相は、スパイ容疑には中国当局は何の証拠も示してないと非難しました。
この「リオ・ティント・スパイ事件」(と中国では呼ばれている)は目立っていますが、フーのように、中国政府と利害が衝突した外資系企業の外国人スタッフが中国の警察に身柄を拘束されたり、刑務所に送りこまれたりする例は少なくなく、これまでに数百人にものぼっています。
 アメリカ人も50人程います。
医療機器販売業者のジュード・シャオもその1人で、98年に詐欺と脱税の罪で有罪判決を受け、16年の刑を言い渡されました。
しかし容疑を裏付ける信憑性のある証拠はなく、シャオの釈放運動を推し進めたスタンフォード大学ビジネススクールの友人たちによれば、税務調査官に賄賂を渡さなかったことが本当の理由だと言います。
彼は北京オリンピックの開幕直前、仮釈放されて、上海で家族と暮らすことを許されましたが、仮釈放期間が終了する13年までは、外国人と会うには警察の許可が必要で上海を離れることも許されていません。
 中国では裁判所や警察で汚職が蔓延し、法の秩序が平等に行われていないなど、司法の透明性が欠けています。
当局は曖昧な内容の国家機密法を口実にして、気に食わない外国企業の幹部に制裁を加えることもできます。
中国の体制は「いかなる時に、いかなる状況においても、いかなる商取引にも合法的に介入できる」のです。

9月 5, 2009 3.スクラップ |