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2009年7月 6日 (月)

若きサラブレットの静かなる革命〈7月〉

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ラルフ・ガンジー(38歳)
3_2   昨年の10月の金融危機以来急落していた世界の株価が立ち直ってきました。
中でも中国とインドの回復が目につきま
す。
中国は56兆円の経済対策が効果をあげていますが、インドは金融危機の影響をあまりうけていなかったことと、総
選挙による国民会議派の大勝により、経済改革にはずみがつくと期待されているためです。
国民会議派の大勝利の原動力になったのはラフル・ガンジー、世界有数の政治家一族の御曹司です。
今も実母のソニア
は国民会議派の総裁を務めています。
しかしラフルは祖先とは違った道をとって、インドの改革を進めようとしていま
す。
 1984年に祖母インディラ(当時首相)が暗殺されたとき、ラフルはまだ14歳でした。
祖母の跡をついだ父ラジブもそ
れから7年後、遊説中、タミル人による自爆テロで殺害されました。
アメリカに渡ってハーバード大学に入学し、英ケン
ブリッジ大学で修士号を取得し、ロンドンのコンサルティング会社で3年間、偽名で働き、インドには2002年に帰国しました。
2004年の総選挙で下院選に出馬し当選しました。
その後3年程、農村部の貧しい人々の暮らしを知ろうとインド各
地を回ります。
土間にあぐらをかいて座り、地元の人々の訴えに耳を傾け、彼らと一緒に食事をし、彼らの家に泊まる
こともありました。
視察先の村人たちを地方政府の当局者に引き合わせ、行政サービスの改善を迫ることもあれば、貧
しい人々の苦境を訴えるために町で座りこみの集会を組織することもありました。

若い候補者を擁立し、若者を引きこむ

 インドの政治家はVIP待遇の大名旅行をするのが常識で、ガンジー王朝の血を引く国会議員が庶民と接触することなどまず考えられないことです。
メディアはラフルの活動を興味本位で取り上げ、政敵は、所詮は御曹司の気まぐれと一笑に
付しました。
ラフルは基本的には市場経済を支持していますが、貧困層を置き去りにする成長には異をとなえます。
説では「富める者と貧しい者の違いは何か。機会があるかどうかだ」と訴えてきました。貧困から抜け出せないのは政治の責任だという主張です。
選挙では数多くの若い候補者を擁立しました。年配者が尊敬され80歳でも現役が珍しくな
いインド政界では異例のことです。
しかし人口の70%は40才未満、50%は25才未満です。
ラフルはこの事実を踏まえ、
今こそ若者中心の政治に転換すべきと考え、その可能性に懸けました。
結果は新人候補の大半が当選を果たしました。
ラフルは膨大な数の若者を党の青年部に引きこみ、民主的な選挙を通じて彼らの中から新世代のリーダーを出そうとしています。
彼の革命が成功すればインドの政治は大きく変わります。
まともな民主主義が正しく機能し、まともな政治
の下で経済成長も実現できれば多くの途上国に勇気を与えることでしょう。

7月 6, 2009 3.スクラップ |