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2009年6月 6日 (土)

ソマリア海賊の血〈6月〉

「海賊としてもうひと頑張りして現金を稼ぎたい。そしたら後は結婚して足をあらう。」
ソマリヤ海賊・ダヒール・ハイエシ(25歳)
096041
 
東アフリカのソマリア沖でアメリカの貨物船マークス・アラバマ号が海賊の襲撃を受け船長が人質に捕られて5日目、4月12日の夕方、米海軍特殊部隊が海賊3人を射殺し船長を救出しました。
海賊の射殺を許可したバラク・オバマ大統領の判断はアメリカ国内で政治的立場の違いを超えて高く評価されています。
クリントン国務長官も、海賊の逮捕を推し進めるべきだと発言し、海賊の資金の追跡と資産の凍結、没収を検討するとしています。
 しかし、海賊被害の当事者の海運・保険業界は、アメリカの強硬策が海賊の攻撃性を強め、この海域を航行する商船の危険がむしろ高まりかねないと不安を強めています。事実、最近まで海賊が船員に暴力を振るうケースは極めてまれでした。
この1~2年でソマリアのアデン湾で海賊が商船を襲って船員を人質にとり、身代金を要求する事件が多発するようになりましたが、ほとんどの場合、船荷と船員は無傷で解放されていました。
救出作戦の抑止効果を米海軍当局者は強調しますが、軍事介入が海賊の凶暴化を招きかねないと、海賊に関する情報を収集している国際海事局は警告を発しています。
「貧しく、無法地帯化しているソマリアでは、人命は軽く、海賊1人を殺せば別の1人がその穴を埋めるだけのこと、海賊100人を殺せば新しい海賊がその何倍もあらわれる…。そうかといって海賊を片っ端から射殺し始めればソマリア人の反発が強まる。」と国際海運情報誌の中東派遣員は指摘します。
事実、3人の射殺後、ソマリア沖では海賊による襲撃が相次いでいます。
海賊のリーダーたちは「我々が自分の海を敵から守ることをやめさせることは誰にもできない。我々はその為に命を投げうつ覚悟ができている。アメリカ人を探し出し、捕えてぶっ殺す」と報復を誓っています。
 ソマリアでは今や海賊行為が一大ビジネスになっており、この国で繁盛している数少ない商売(?!)です。
ソマリア沖で活動するプロの海賊は300人ほどで、それを地上でサポートする人間が同じ位います。
身代金の受け渡しはたいてい現金で行われるので、クリントン国務長官のいう資金追跡、資産凍結は困難です。
海賊取締の第一歩を踏み出すだけでも60隻の艦艇が必要ですが、現在海賊対策のためこの海域に派遣されている艦艇は20隻足らずです。

6月 6, 2009 3.スクラップ |