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2009年3月 8日 (日)

独自性・伝導力・関係性〈3月〉

 1月の売上高は百貨店、スーパーとも前年比ダウンで特に百貨店が悪いようです。
各社とも特段の対策がないため再び低価格路線に舞い戻ってしまいました。
これからますます価格競争が激しくなるものと思われます。
しかしこうした世の中でも伸び続けている会社はいくつもあります。
首都圏にあるOK(オーケー)という食品スーパーもその一つです。
OKは徹底した安売り路線で消費者の節約志向を把み、躍進し続けています。
2008年3期の売上高は1680億で、5年間で倍増しました。
既存店売上高も坪当り売上高も上がり続けています。

 しかしOKは、単なる安売り店ではありません。
伸び続けている会社の3つの要素を全部備えています。
3つの要素とは独自性と伝導力と関係性です。
独自性とは、その企業独自の強さであり差別化とは異なります。
伝導力とは、商品やサービスを客に伝えきる力です。
関係性とは、顧客とつながる力、絆です。
その一つ一つをOKにみることができます。

独自性・伝導力・関係性

●独自性
OKの安売り路線はウォルマートの安売り路線とは異なります。
仕入条件が良くない商品はトップブランドでもあえて外す「割り切り」で低価格を実現します。
たとえばヨーグルトはトップブランドの明治ではなく森永であり、醤油はヤマサ、小麦粉は日本製粉など2位メーカー以下の一社に集中することにより、メーカー希望価格より常時3、4割安く売ります。
安売りできないブランドとは取引を縮小します。
キリンビールは常時取扱いを止めたため、キリンの商品は3週に1度しか入りません。
代わりにサントリーは積極的に扱います。
無駄の省略は販促面も売り場にもあります。
飲料の冷蔵販売はしません。
冷たさという付加価値より安さを優先します。
チラシは写真のほとんどない毎週1回の「商品情報」のみであり、大半は店頭配布で新聞の折込みはほとんどありません。
消費者への告知方法として今や不可欠ともいえるホームページもありません。

OKの安売り路線はエブリデーロープライスであっても「ワケあり」のロープライスです。
価格路線で勝てそうでない商品は店頭に並べないという割り切りです。
この「ワケあり」に割り切るのはなかなか大変でこれを継続できるのが独自性であり、他社は真似ようと思ってもそうそう真似られるものではありません。

●伝導力
OKは情報開示を徹底しています。
情報開示はプラスの情報だけでなくマイナスの情報にも注力されます。
むしろマイナス情報の開示に熱心です。
商品の情報開示はオネスト(正直)カードに書かれます。
たとえば、雨が数日続いて野菜の品質が悪くなる時には「雨続きで、通常販売している商品より品質が悪くなっています。お急ぎでなければ暫くお待ち下さい」と書かれます。
南アフリカ産グレープフルーツには「ご好評いただいたフロリダ産が終了しました。南アフリカ産が例年に比べて糖度酸度のバランスが良く、取り扱うことにしました。フロリダ産を100点の食味としますと70点位です。蜂蜜等をかけると美味しく召し上がれます。」と書かれています。
商品値上げをする時には値上げをする理由と値上げの日と値上げ後の価格を表示します。
商品の短所を説明してしまうことで販売実績が落ちることについては「何の問題もない。商品の短所を示すことで売れ残ってしまうリスクと、甘くないものを買わせてしまうリスクを比べてみると、後者によるリスクの方が断然大きい」と社長はいいます。
こうしてマイナスの情報を徹底的に伝えます。

●関係性
店内に溢れるばかりの注意書きで、舞台裏まで隠さず顧客に知らせてしまうのは客を裏切らないためです。
徹底した情報開示の結果、客の店に対する信頼度が醸成され、ファンと呼ばれるレベルにまで消費者のロイヤリティーが高まり、そのファンが別の顧客をつれて来ます。
会社はホームページを持っていませんがOKの熱心なファンはボランティアで「オーケーストア・アンオフィシャル」というホームページを運営します。
家の近くのページをのぞいてみますと、まさにファンのページになっています。
彼らが口コミを広げ、商圏を拡大する伝導師になっているのです。
顧客と店とは深く結びついています。

 このようにOK は、独自性、伝導力、関係性という三つの柱で他社を引き離しており、既存店売上高が上り続けています。
OK の飯田社長の兄は居酒屋チェーン「天狗」の、弟は「セコム」の、創業者です。

3月 8, 2009 2.チャレンジ |