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2008年9月 6日 (土)

楽天弱小球団の育て方〈9月〉

         - 野村監督と楽天イーグルス -
200892
 金券店でプロ野球巨人戦のチケット販売が低迷しています。
他球団に比べて人気の高い巨人戦は4、5年前までは定価の2倍以上の値の付くプラチナチケットでしたが、今では定価を下回る額面割れも増え始めました。
巨人の戦績が低迷しているのが原因ですが、渡辺オーナーの金にあかして他球団から人をとり横暴を通すやり方に、ファンが離れてしまったのも遠因かもしれません。
 一方パリーグは全球団の実力が接近していて面白い展開になっています。
中でもこのところ一時の勢いはなくなってはいますが、楽天の元気の良さが目立っています。
 楽天はご存知のように近鉄バッファローズの引き受けがなく、主力選手が他の球団に引き抜かれ解体寸前になったとき、楽天が引き受け仙台に本拠地を移して再出発した球団です。
主力が抜けたあと、他球団が放出したような選手を中心に作ったチームですから、12球団最弱のチームといわれ確か初年度のチーム成績は勝率2割台での大差のドンジリではなかったかと記憶しています。
その最弱球団の第2代目監督が、ヤクルト、阪神を優勝に導いた野村監督でした。
当時、私は今さら野村の時代ではないし、とても楽天の再建は無理だろうと思っていましたが、1年、2年、3年と経つうちに徐々に力をつけ、今年は一時2位につけるところまで順位をあげました。
一体何が楽天をここまで強いチームにしたのかを知りたくて、野村監督の本をもう一度読み直してみました。
それを読むと弱いチームを強いチームに変えていくための考え方がいろいろな角度から述べられています。
要点は次の4点に絞られます。

1. チームとしての目指す方向性を噛んで含めて懇切ていねいに全員に知らせる。

 チームには見える戦力と見えない戦力がある。
 見えない戦力は監督と選手に以心伝心ともいえる信頼関係でつな
 がっていることで生まれる。
 そのためにはチームの方向、監督の考え方を相手が小学生だと
 思って何回も何回も同じことを繰り返し話さなくてはならない。
 特に大事なことは、なぜそうするのかをその背景や理由をあげな
 がら全員の納得のいくまで説明することである。
 これによりチームのまとまりができ、一丸となって戦う勢力が生ま
 れる。

2. チームの目標(優勝)と個人の欲望(年俸アップ)は相反するものではないことをあらゆる機会を捉えて教え込む。

 チームは個人のために存在するが、個人もまたチームのために
 存在する。
 チーム優先主義というと自己犠牲を強いられると思っているが大き
 な間違いである。
 チームのために使命感を燃やして頑張れば個人の成績も上がる
 ことを、実例を交えながら何回も何回もわかり易く説明する。
 犠牲も考課表の中でちゃんと査定されていることを納得させる。
 結果はついてくるもの、記録は狙って出すものではない。
 チームのためと考えたほうが、かえっていい結果が出るものである。
 事実チームの優勝が決まり、個人記録という欲望にとりつかれると
 今までの成績がウソと思う程成績が落ち込んでくるものである。

3. 監督は選手たちに好かれようとは思ってはいけない。選手一人一人に挑戦し、勝負しなければならない。

 選手には「勇気」や「覚悟」や「義」や「恥の意識」など他の監督が
 要求しないことをたくさん要求する。
 なぜそれが必要なのかの説明を繰り返しする。
 勝負するには、野球の知識であれ、世間知であれその他の雑学で
 あれ、選手に負けることがあってはならない。
 負けると権威が崩れ、これが敗因の一番の原因になるからである。
 好かれなくてもいいから信頼はされなければならない。
 そのために常に本を読み、人の話に耳をかたむけ、これだと思った
 ことをメモし、それをノートに写す。

4. 選手は皆、才能をもって生まれてきている筈である。その結果が出ないのは①方法論 ②努力の方向性 ③野球への取り組み方のどれかがまちがっているからであり、それらを部分的にあるいは総合的に矯正してやればいいと考える。

 野村監督は「野球再生工場」といわれる位、他球団から放出された
 人間を再生してきました。
 そのコツはこのような考え方のもとに 
 ①今のままでは終わるぞと脅し 
 ②反骨心を植えつけ 
 ③変わることを勧め 
 ④具体的方法を伝授することです。

 これを読むと全ての項目が会社経営に通じています。
我々中小企業は戦力のない弱小集団です。
社長はその監督です。
弱小集団を率いて戦っていかなければならない社長は、どのような考え方で、どのようなことをやっていかなければならないかということを教えてくれるように思います。

        

9月 6, 2008 2.チャレンジ |