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2008年6月 5日 (木)

肥満が犯罪になる日〈6月〉

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 「州内の飲食店は肥満者に一切食事を提供してはならない。」‥米ミシシッピ州の下院議会にそんな法案が今年1月下旬に提出されました。
対象は5席以上のレストランやバーで、違反を重ねれば営業許可を取り消されます。
肥満の基準は州保険省が定めると記されています。
WHO(世界保健機関)の定義にあてはめればBMI(体重㎏を身長の2乗で割った数)が30を超える人です。
提案されたミシシッピ州の肥満率は全米で最も高い31.4%で、成人の3人に1人は外食できなくなります。
…幸にもこの案は「あまりにも差別的」として廃案になりましたが、肥満への風当たりはますます強くなっています。
 また、ニュージーランドの通信社にヘッドハントされたイギリス人技術者とその妻は、肥満を理由に就労ビザの発行を拒否されました。
ニュージーランドは医療費を抑制するためビザの発行には健康診断書の提出を義務づけており、申請者は一定の基準を満たす必要があります。

BMI(体重kg÷身長m÷身長m)=30以上の従業員は月10ドルの課徴金

 企業や国が半ば強制的に減量や体形改善を迫る動きは急激に広がっています。
米金融大手ウェスタン&サザン・ファイナンス・グループは従業員の太り具合によって月15~75ドルを給料から差し引いています。
イギリス最大手の生保会社リーガル&ジェネラルはBMIが30以上の加入者の保険料を5割増しにすると発表しました。
さらに喫煙歴や病歴によって保険料は4倍にまではね上がります。
病院経営を行う米クラリアン・ヘルス・パートナーズ社ではBMI値が30以上の従業員は月10ドルの課徴金が課され、コレステロール値や血圧が基準値をこえるとさらに5ドルずつ加算されます。
 WHOの統計では世界人口66億のうちBMI 25以上が16億人、肥満の30以上は4億人にのぼっています。
 イギリスの肥満率は23%で、アメリカ、メキシコについで高く、肥満が国民健康保険にもたらすコストは年10億ポンド(約2000億)と見積もられており、今のペースで肥満者が増加すれば50年には64億ポンドにまではねあがります。
肥満のため巨大化する死体も財政を圧迫しています。
これまでイギリスの棺の幅は40~50センチだったのに、今では100センチあるものも珍しくなく、旧式の火葬炉は使えず、自治体では特大サイズの棺に対応した炉を購入する必要が出ています。
 米デューク大学の調査によると大学が負担する肥満者の医療費は非肥満者の7倍、けがや病気による欠勤日数は13倍という数字でした。
 これでは肥満をとり締まりたくなるのもわかります。

6月 5, 2008 3.スクラップ |