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2008年5月 5日 (月)

美食都市TOKYO〈5月〉

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 「ここには地上で最高の食がある」というのはイギリス人のレストラン評論家で日本在住暦の長いロビー・スウィナートン。
「私たちは知っていた。これからの世界がそれを知ることになる」

ミシュランガイドの総責任者ジャン・リュック・ナレは、昨年、東京版の調査チームとレストランの格付けについて話し合ったとき、尋常でないことに気づいた。
ミシュラン史上初めて、星つきのレストランだけで本一冊が埋まるのだ(ミシュランガイドには通常「星なしだがおすすめ」という店も掲載されている)東京版の星の数は191、2位のパリは97個、3位のニューヨークの54個を大きく引き離すことになった。
パリではフィガロ紙が「東京は世界の美食の新しい中心地」という見出し記事を掲載。
「大きく後れをとったパリは用心すべきだ」と警告した。
するとフランスではパリの「美食の都」としての地位を守ろうと、東京のあら探しが始まった。
評論家たちはパリの三ツ星レストランは10店だが、東京は8店だと主張。
東京周辺の人口はパリの3倍なのでパリの方が1人当たりの星の数は多いと指摘する人もいた。
フランスの長年のライバルであるイギリスは、いい気味だと思っているようだ。
イギリスのレストラン評論家ジャイルズ・コーレンがフランス文化は「衰退期」にあると主張する。
 「ミシュランガイド」初版9万部は発売後24時間で完売した。
ミシュランガイドのヒットは日本人の食へのこだわりの強さを証明する。
レストランの数はパリの1万3000店に対し、東京は16万店。
日本人のグルメはおいしい料理のためなら何時間だって待ち続け、日本のレストランはそんなグルメの期待に十分に応えている。
「素材と季節」―日本料理ではこれが全てだ。
ミシュランの2つ星の「菊乃井」は、だしの材料にも細かく気を配る。
水は京都の本店が所有する井戸でくみあげたもの、かつお節は九州、昆布は北海道から取り寄せる。
「手に入る最高の食材を使うよう心がけている」と菊乃井の主人、村田吉弘はいう。
名門として知られている辻調理師専門学校でも生徒たちには素材が命だと教えている。懐石料理だろうとフランス料理やイタリア料理だろうとこの鉄則は変わらない。
こうした料理人がいるおかげで、東京では芸術的な域に達した料理を気軽に楽しむことができる。

5月 5, 2008 3.スクラップ |