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2008年3月 6日 (木)

世界をアット言わせたい〈3月〉

 今スポーツで一番人気があるのはサッカーではないかと思います。
長い間お茶の間のスポーツの話題の中心はセリーグの巨人を中心としたプロ野球でした。
しかし、巨人中心の考え方に毒されたマスコミと巨人のあまりの身勝手さに嫌気のさしたファンがプロ野球から離れていきました。
地道にファンを広げる活動をしてきたパリーグの観客動員数は、今やセリーグを抜き去ってしまいました。
加えて大量の日本人選手の大リーグ移籍があり、興味は大リーグの方に移ってしまいました。
ニュースで大リーグのことは流れますが、日本のプロ野球のことは流れなくなって久しくなりました。
それに対してサッカーの観客動員数は2000万人を超え世界第5位にあるということです。
Jリーグは1993年に第1回大会が行われたので、今年は15年目に入ります。
当初は人気先行の嫌いがありましたが、昨年は浦和レッツがクラブワールドカップに出場し準決勝までいくなど、実力も伴ってきたようです。
日本代表チームの監督もジーコ、オシムと外国の有名監督を入れて、注目度も高くなりました。
オシム監督の突然のリタイヤで、日本代表チームの指揮者は、10年前に代表監督だった岡田監督になりました。
岡田監督は、代表チームを引き受けたのは「世界をアット言わせたい」と思ったからだと言います。
その岡田監督が、神戸製鋼のラグビー部の監督、ラグビー日本代表を率いている平尾誠二氏と対談をしている記事を読みました。
その中に人を率いていきながら試合に勝っていかなければならない人にとって、いろいろヒントになることがありましたので、紹介させていただきます。

1.世界で戦うのなら彼らと同じ方法ではダメだ。
 国際大会のリポートを読むと毎回、欧州のトップレベルに比べて
 フィジカル面が劣ると書いてある。
 しかしその差は同じ方法で追いかけている限り埋まらない。
 クラブ選手権準決勝のACミランとの対戦で、相手が本気になっ
 てくると負けてしまう。
 同じ方法で追いかけてもダメだ。
 日本人は豊かな社会で育ち、外で遊ばなくなったため、体に天
 性のバネのようなものがなくなってしまった。
 そういう子が中学に入ってサッカーやラグビーを始めると弱さが
 目立つ。
 特に都会育ちの子はそれが顕著である。
 しかし、チームのためにというロイヤリティーは高いし、タイミング
 をずらすとか、小さなパス回しのようなことは勝れている。
 こうした日本人の特色を生かしたサッカーをしないと勝てないの
 ではないか。

 商売も同じことだと思います。
相手と同じことをしていても勝てません。
セブンイレブンに他社が勝てないのは、セブンと同じことをしているからだと言われます。最近はさすがにそれに気づいてか、他社もセブンと異なることを手掛けていますが、まだそれ程効果をあげていないようです。
独創とは、他業界で成功していることを自業界に真似して取り入れることであると言った人がいますが、同業の上位者を抜くためには、上位者と同じことをしていたのでは永遠に抜き去ることはできないことは自明の理です。

2.チームの生産性や戦力の向上のためには鋳型にはめる必要
  がある。
 鼻が利くというか感覚が鋭くて自分でアレンジを加えたプレーが
 できる選手が減っている。
 しかし自発性が大事といって自由にやらせておけば、それが
 育つわけでもない。
 鋳型にはめる部分がなくなると、チームの成長とか統制というも
 のが不確かになる。
 型や枠をすべて取り去ってしまったら一定の水準に達する人間
 すらいなくなってしまう。
  
 日本代表のチームメンバーといえば皆その世界では一流のプレーヤーです。
そういうメンバーですら、自由にやらせておくと要求する水準に到達しなくなります。
ましてや我々は中小企業です。
大企業に入れなかった人々を集めて成果を出すことが求められているのです。
そういう人に自主性を求めるよりも、先ずルールを決めて、確実にルールを守らせ、一定水準の仕事をやらせることに注力することの方が早道ではないかと思います。
しかしそのためには、社長はポイントを決めて絶えずルールが守られているかをチェックしつづけることが欠かせません。
多くの自主性を語られる社長に欠けるのは、自社の社員の質を考慮しているかどうかという点ではないでしょうか。

3.選手は以前に比べて、技術は上達したけれど生きるエネルギー
  を失っている。
 感情を表に出さない、おとなしい子が増えている。
 便利で快適な環境にいると「悔しい」という思いや「やったぞ」という
 感動がなかなか得られない。
 脳幹が刺激される機会が少ないので、人間が家畜化され、生きる人
 がどんどん落ちている。
 「くそっ」と思う度合がものすごく低下している。
 だからガンガン言われるとかえって踏み出せなくなる。
 言いまわしに気をつけなければならない。
 ダメじゃないかと激を飛ばす人間がいない。
 そういうのは恥ずかしいと思っている。
 みなと違うことを言うのはマズイと思っている。

4.選手は真面目だけれど真剣ではない
 真剣に勝ちたいのならば「皆、こうやってくれ」といわなければ
 ならない。
 慰めあっていても勝てない。
 本気で真剣になって味方を罵倒するやつがいなければならない。
 しかし今はそういう者がいない。
 皆傷つきやすいからそれをやったら周りから浮いてしまう。

 早稲田大学が箱根駅伝で12年振りに往路優勝しましたが、そこには、山登りで区間賞を取り、優勝のたて役者になった主将の駒野が、このいやがられる役を努めたからだと言われています。
会社にもその役を引き受ける人がいるかどうかが大事なようです。

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