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2008年2月 6日 (水)

賞味期限〈2月〉

 食品に関する偽装が絶えません。
数年前の雪印に始まり、不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福、船場吉兆と、このところ勢いは増しているようです。
しかしこれらは急にはじまったことではなく、今迄ずっとそうであったものが、表に出てきただけのことだと思います。
明るみに出た事件のほとんどが内部告発で、証拠の資料もちゃんと整えてあるということです。
2007年6月以降、商品110番に寄せられる疑義情報は毎月100件前後から、6月252件となり、11月には700件を突破しています。
社員中心の時代からパート、アルバイトが中心の時代になり、会社への忠誠心よりも正義感に従って行動する人が多くなってきたことが、内部告発が増えている原因だと思います。
これは食品だけの問題ではなく、全ての業界に当てはまることで、事業経営に対する監視の目が厳しくなっているのです。
 しかし食品に消費期限を入れるのは当然としても、賞味期限まで入れるのはいかがなものでしょうか。
古いものは味をみればわかることですし、物を食べる時に注意して吟味するという、生きるための最低限の行為もしなくなるのは問題ではないでしょうか。

■賞味期限と消費期限

 そもそも期限には2つの期限があります。
消費期限、賞味期限です。
消費期限を越えると健康被害を起こす可能性があるので、これを明示することは必要なことだと思います。
製造年月日を表示するのは、その良否を判断するのは自分でしなさいということだと思います。
食品以外のものに製造年月日が記されているのはそのためでしょう。
 賞味期限を決めるのは味の劣化です。
賞味期限が切れた商品は安全性に問題がなくても、その店が保証できる味を保証できないからといって定めたもので、いわば自主規制であり、消費期限とは関係ありません。
にもかかわらず最近は、この消費期限と賞味期限が混同され、コンビニが賞味期限を越えた食品を棚から撤去するということをしだしてから、この賞味期限が大手を振って歩き出しているようです。
マスコミもこの2つを意識しないで同列に扱っているように見えますが、賞味期限の改ざんと、消費期限の改ざんは峻別されるべきものだと思います。
 食品の表示を規制するものは、食品衛生法と日本農林規格(JAS)法があります。
食品衛生法は「衛生上の危害の防止」が目的で、JAS法は加工食品に必要な消費、賞味期限の設定を各企業に委ねています。
不正表示がわかれば、公表と迅速な是正に主眼を置き、事業者の処罰が法の目的ではありません。

■捨てるのがもったいなかった

 赤福が冷解凍設備を導入したのは1973年、20年に1度の大イベントである伊勢神宮の遷都を控え、赤福もちの欠品を出さないため、作りおきのできる冷解凍設備を導入しました。
社員が食べても解凍したものとそうでないものの区別はつかないといいます。
この設備は何度も保健所の検査を受けており、食品衛生上問題なしというお墨付きをもらっています。
しかし解凍した日の日付を食品の製造年月日とするのはJAS法違反になるのです。
鮮度や成分の表示を示したJAS法は雪印食品の偽装事件が起こる前までは、あまり気に留められない法律でした。
赤福は「あんの主原料は小豆」という思い込みで、原材料の先頭に小豆と書いていましたが、重い順に表示することを義務づけたJAS法では砂糖を先に書くべきで、これも違法でした。
 赤福は回収したもちの68%を赤福もちの原料として再利用していましたが、回収したもちを乾燥させ粉末にし、新しいもちの原料として全体の1%を上限に混ぜていました。
わざわざあんともちを分け、乾燥させて粉にする手間を考えれば、1%の再利用をするよりも新品のもち米で作った方が安上がりなはずですが、現場の従業員は「捨てるのがもったいなかった」と言います。
 和菓子界には「あんの炊き直し」という昔からの習慣があります。
売れ残った饅頭のあんを新しいあんに混ぜて炊き直せば、おいしく食べられるからです。こうした行為は厳密にはJAS法違反の恐れがあります。
しかし和菓子屋がちゃんとルールを守ったら、饅頭は1個1000円になりかねません。
「法令遵守が日本を滅ぼす」の著者の桐蔭横浜大学の郷原信郎教授は「JAS法を厳密に順守して、再利用できる食材を全部廃棄していたら、そのうちあらゆる食材がとんでもない値段になる」といいます。
健康被害が出ていないのに無期限の営業停止は前例のない厳しさです。
 法令遵守も大切ですが、行き過ぎも困ったものです。
今の日本は、何が何でも取り締まろうという風潮が強くなりすぎているように思います。
詐欺行為は問題ですが、常識の範囲内で対応できることもあるのではないでしょうか。
マスコミも少し過激になりすぎているようです。
今回もある通信社の記者が小学生の子供をつかまえて「お前の親の会社は悪いことをやっている。親に会わせろ」とすごんだといいますが、事実を十分に調べない一方的発言も多いようです。

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